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踊るびあほりっく

―マイルとブラックカードに夢をみる。―

フレッツ光と何が違うの?今さら聞けないドコモ光やauひかりの特徴について。

システムエンジニアリング

2017/04/10 一部表記を修正(コメントありがとうございます)

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最近、「○○光」っていうサービス名をよく目にしませんか?auひかりだのドコモ光だのNURO光だの、そういった類のものです。

ちょっと前まで「光」といえばNTTのフレッツ光ただ1つを指す時代だったかと思いますが、今ではたくさんの○○光の中から自分にあったサービスを選んで利用することができる時代となりました。私たち消費者にとって選択肢が増えることは大変喜ばしいことです。

ただ、これら乱立した「○○光」系サービスのそれぞれの違いについて、ちゃんと理解した上で選択・利用している人はあまり多くないように感じます。例えばあなたはご存知でしょうか、フレッツ光とドコモ光の違いについて

今回のエントリーではプロのITエンジニアが「○○光」系サービスの違いについて、初心者向けにやさしく解説します

 

○○光を「インターネット回線」と表現するサイトは嘘

「○○光」系のサービスのことを「インターネット回線のサービスです」と説明しているサイトが数多く散見されますが、そうしたサイトは「○○光」の特徴や違いをちゃんと説明しきれていないと私は感じています。

確かに、この「インターネット回線」って言葉はわりとよく聞く一般的なものです。Googleでワード検索をしても53万件もの情報がヒットします。

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便利な言葉なので、私もついつい使っちゃうのですが・・・

「インターネット回線」なんてものはない。インターネットと「回線」は別物なのだ

しかし、「インターネット回線」なんてものはこの世にありません。「インターネット」と「回線」は別物です。この2つを混合して考えてはいけないのです。

つまり、こうではなく

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こう!

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分けて覚えましょう。

まずは「回線」についてちゃんと整理しないと、○○光の違いが理解出来なくなってしまいます。

では「回線」とはなんだろう?

上記で「インターネット」と「回線」は別物であると説明いたしました。では、「回線」とはいったいなんなのでしょうか?

端的に言うと、「回線」とはインターネットまでの伝送路(物理素材)のことを指します。現在インターネットまでの伝送路として使用される物理素材には、主に以下の2種類が存在しています。

  • 同軸ケーブル(低速)
  • 光ファイバーケーブル(高速)

以下にそれぞれ写真を掲載します。

同軸ケーブル

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同軸ケーブル - Wikipedia

光ファイバーケーブル

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光ファイバーとは - 時事用語 Weblio辞書

「回線」は物質的、インターネットは概念的

「回線」とは上記写真のように、物質的で目に見えるものです。一方、「インターネット」と呼ばれるものは概念的で目に見えないものです。

物質と概念とで言葉同士の性質がまったく異なるため、「回線」と「インターネット」の言葉を混合するとインターネット接続サービスの仕組みが理解がしづらくなってしまいます。繰り返しますが、「回線」と「インターネット」は分けて考えましょう。

https://www.photock.jp/photo/middle/photo0000-5619.jpg

△「回線」は電線付近や道路の下に敷設されている(写真:フォトック

最近乱立する○○光の"光"は、「回線」の種類を示している

冒頭でも言及しましたが、最近「○○光」と呼ばれるインターネット接続サービスが乱立していますよね。フレッツ光、auひかり、NURO光、ドコモ光、ビッグローブ光、@nifty光、Softbank光、OCN光・・・とにかく枚挙に暇がありません。

この「○○光」系のインターネット接続サービスは、いずれもある一つの共通した特徴を持っています。それは、光ファイバーケーブルのみを回線に使用している場合に「○○光」と呼ぶことです。

もし低速な同軸ケーブルを回線に使用している場合、原則としてサービス提供事業者側がそのサービスのことを「○○光」と呼称することはありません。

ちなみに低速な同軸ケーブルはJ:COMに代表されるケーブルテレビ(CATV)事業者のFTTNサービスを中心に使用されています。同軸ケーブルを使ったJ:COMのFTTN系サービスの通信速度が遅くなる原理については以下のエントリーで別に解説しています。

 

今さら聞けない○○光の違い

さてここからがいよいよ本題です。

ここまでの解説において光ファイバーケーブルのみを回線として使用しているものが「○○光」と呼ばれることはご理解いただけたかと思いますが、各種○○光にはそれぞれ違いが存在します。その違いを作り出しているのは、ずばり以下の3点です。

  • 回線の所有者
  • 回線の使用者
  • プロバイダ

これらの違いについて先に表にまとめてみました。それぞれの要素の詳細については後述します。

○○光回線の所有者回線の使用者

プロバイダ

フレッツ光 NTT東西株式会社 【選択可】
BIGLOBE,@nifty,ASAHIネット,OCNなど
ドコモ光 同上 NTTドコモ株式会社
NURO光 同上 So-net 【固定】
So-net
auひかり KDDI株式会社
(旧東京電力TEPCOひかり)
【選択可】
BIGLOBE,@nifty,ASAHIネット,OCNなど

違い①【所有者】→光回線の大手所有者はたったの3社しかない

まずは回線所有者の違いについて。

光ファイバーケーブルを回線に使用する「○○光」系のサービスですが、光回線の所有者大手(=地下に埋め込んだケーブル資産の所有者)は2017年現在たったの3社しか存在しません*1

  • NTT東日本株式会社
  • NTT西日本株式会社
  • KDDI株式会社

KDDIの光回線とNTT東西の光回線は全くの別物?!auひかりの正体とは?

上記3社を見て人によっては、「あれ、KDDIも光回線なんて持っているんだ?」と思ったかもしれません。

実はKDDI株式会社の光回線は、かつて東京電力が提供していたサービス「TEPCOひかり」の光回線を事業買収によって獲得したものです。そしてこの旧TEPCOひかりの回線を引き継いで提供されているサービスが「auひかり」と呼ばれるものの正体です。

NTT東西の光回線(フレッツ光)とKDDIの光回線(auひかり:旧TEPOCひかり)とでは所有者も設備系統も全く異なります。従って、対応可能なエリアもそれぞれ異なります。

違い②【使用者】→回線の所有者以外でも回線を使用できる法律がある

次に回線使用者の違いについて。

上述の通り日本国内において光回線を所有する大手回線事業者はたったの3社しかありませんが、実は回線所有者3社は自社の資産だからといって光回線を専有使用(独り占め)できるわけではありません

なぜかと言うと、回線を持たない他社(サードパーティ)から回線借用の求めがあった場合に、自社の回線をその他社に対して貸し出さなければならないことが法律的に義務付けられているためです(電気通信事業法)。

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NTT東西による「サービス卸」の在り方について

このため、光回線の使用者は回線の所有者であるNTT東日本、NTT西日本、KDDIの3社のみに限定されず、様々な事業者が光回線を間借りしてサービスの提供ができるようになっているのです。

この回線の貸出先が今非常に多様化してきており、その結果として様々な○○光系サービスを大量に生み出すことに繋がりました。

所有者からの回線貸しは「帯域貸し」「芯線貸し」の2種類ある

回線の貸出先は多様化したと説明しましたが、回線の貸し出し方も複数あります。それは以下の2種類です。

  • 帯域貸し
  • 芯線貸し

帯域貸し

光ファイバーケーブルで伝送可能なデータ容量(回線帯域)の一部を他社に貸し出す方式です。この帯域貸しはドコモ光に代表されるいわゆる光コラボレーションで多く採用されています。

フレッツ光には従来から続く通信技術で光回線内にデータフレームを通過させるための仕組みが用意されていますが、その仕組みごと他社に回線を貸してしまうような貸し出し方式です*2

もし不動産で例えるなら、土地と建物をセットで賃貸借するようなものでしょうか。回線と通信技術をセットで貸し出します。

フレッツ光と同じ回線(伝送路)を使用し、同じ仕組みによってデータフレームを通過させることになるため、原則として回線速度の品質はフレッツ光と全く同等となります(劣りもしないし、優れもしない)

芯線貸し

NTT東西が使っていない予備の光ファイバーケーブルを物理的に貸し出す方式です。この芯線貸しは2017年現在においてNURO光においてのみ採用されています。

NTT東西が光ファイバーケーブル(回線)を道路下にたくさん埋め込んだはいいものの、埋め込みすぎて自社利用(フレッツ光)では使いきれない余剰分を他社にそのまま譲ってしまう貸し出し方式です。

芯線貸しの貸し出し対象はあくまでNTT東西が未使用である光ファイバー素材のみで、データフレームを通過させるための仕組みは貸し出し対象となりません。そのため光ファイバーケーブル素材の借り受け事業者側は、データフレームを通過させるための通信技術を自社で開発する必要があります。

これも不動産で例えるなら、土地だけ借りてその上に自分がデザインした建物を建てるようなものでしょうか。回線を単体で賃貸借することにより、NTT東西の通信技術に縛られず自社固有の通信技術を採用することができるメリットがあります。

 

NURO光は回線内にデータフレームを通過させるための仕組みにG-PONというGE-PONとは異なる通信技術を独自に採用しているため、原則として回線の通信速度品質は帯域貸しのそれと比較して優れています(最大2Gbps)。 

ただし、制度の発展途上の方式なので対応するエリアや建物は非常に限定的です。もしお住いのご自宅が対応している建物ならラッキー。

NURO 光の対応エリア・建物の検索はこちら

違い③【プロバイダ】→回線をインターネットに繋げてくれる立役者

最後にプロバイダの違いについて。

先程はインターネットと回線は切り離して考えるべきと説明しましたが、下記のイメージ図の通り回線とインターネットは通常、接続されていません。

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しかしプロバイダと契約することにより、、、、

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ただの物理素材に過ぎなかった回線を、プロバイダがインターネットに繋げてくれるようになります。

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プロバイダの良し悪しは「混雑」が決め手

ただの物理素材である回線をインターネットに接続してくれる役割を持つプロバイダですが、その良し悪しを決めるのは何と言っても「混雑」の有無です。

以下のエントリーでも解説している通り、インターネットの通信速度が遅くなってしまう大きな原因要素としてプロバイダの混雑があげられます。

このプロバイダによる混雑を回避できるかどうかは数ある◯◯光の中からひとつを選択する際に非常に重要になってくるので、月額料金の安さだけで判断しないようにしたいところです。

【結論】フレッツ光とドコモ光の違い

ながながと書きましたが、最後に結論を。

フレッツ光とドコモ光に違いはほとんどありません。理由は上記の通り回線設備を同じくしたサービスのためであり、どちらか一方が優れていて、どちらか一方が劣るということもありません。おんなじ回線とおんなじ仕組みを使ったサービスなので、差別化要素はほぼ料金体系以外にありません

フレッツ光とドコモ光を比較した際に「変わるもの」「変わらないもの」は以下の通りです。 

変わらないもの:回線、対応エリア、選択可能なプロバイダ

変わるもの:料金体系・支払先(NTT東西ではなくNTTドコモ)

 2017年現在のフレッツ光とドコモ光の違いを以下にまとめてみました。

 集合住宅料金
(プロバイダ料含む)
戸建て料金
(プロバイダ料含む)
支払先
フレッツ光 (最小)3,450円
~(最大)4,900円
(最小)5,100円
~(最大)5,800円

NTT東日本

NTT西日本

ドコモ光 (最小)4,000円
~(最大)4,200円
(最小)5,200円
~(最大)5,400円
NTTドコモ

一見して料金面においてはフレッツ光の方が優勢に見えますが、ドコモ光はドコモのスマートフォン料金とのセット割が適用されるため、ドコモのスマートフォンをご利用中の方はドコモ光を選んでおけば間違いないと思います。それ以外の方はお好みで。

ドコモ光

【結論】フレッツ光とauひかりの違い

フレッツ光とauひかりは全く違います。理由は上記の通り異なる回線設備を利用したサービスであり、設備の規模も両者で全く異なるためです。ただどちらも回線(伝送路)の素材には光ファイバーケーブルのみを使用していることは共通しており、回線設備の規模の大小が品質の高低に繋がることは基本的にないのでご安心ください。

フレッツ光とauひかりとで「変わるもの」「変わらないもの」は以下の通りです。 

変わらないもの:(一部の)選択可能なプロバイダ

変わるもの:回線、対応エリア、料金体系・支払先(NTT東西ではなくKDDI)

2017年現在のフレッツ光とauひかりの違いを以下にまとめてみました。 

 集合住宅料金
(プロバイダ料含む)
戸建て料金
(プロバイダ料含む)
支払先
フレッツ光 (最小)3,450円
~(最大)4,900円
(最小)5,100円
~(最大)5,800円

NTT東日本

NTT西日本

auひかり 3,800円 5,100円 KDDI

一見して料金面においてはフレッツ光の方が優勢に見えますが、auひかりはauのスマートフォン料金とのセット割が適用されるため、auのスマートフォンをご利用中の方はauひかりを選んでおけば間違いないと思います。それ以外の方はお好みで。 

auひかり

*1:ローカルの電力系除く

*2:ちなみにこの仕組みはGE-PONと呼ばれますが、別に覚えなくても大丈夫です。