踊るびあほりっく

ビール好きのネットオタクが呂律を回します

遅いと評判のJ:COM NETはなぜ遅いのか?ITエンジニアが理由をやさしく解説します。

2017/08/20 更新 

J:COM NETサービスイメージ

とにかく遅いと評判のインターネット接続サービス、J:COM NET

通信速度が一番速いプランでも最大速度が320Mbps止まり、月額料金 は6,000円(税抜)というサービスになっています

J:COM NET(インターネット・プロバイダ) | J:COM

今回の記事では、遅いと評判のJ:COMは「なぜ遅いのか?」という理由について、プロのITエンジニアが設備面(ファシリティ)の観点からやさしく解説します

J:COM NETはなぜ遅い?

当たり前の話ですが、インターネットの通信速度は遅いより早い方が絶対に嬉しいですよね

その点において、僕はJ:COMのインターネット回線を使いたいとは思いません*1

僕はITエンジニアなので、その道のプロとしてはっきりと言えることが一つだけあります

それは、回線速度の品質においてJ:COMのケーブルテレビ(CATV)設備が光回線の設備に敵うことは、絶対にないとういうこと

この理由についてはあまり語られることはありませんがご存知でしょうか。J:COMが遅いのには「遅いなりの理由」がちゃんとあるんです

 

実はJ:COMの公式ホームページに答えが載っている。

実はJ:COMが遅い理由は、J:COMの公式ホームページにしっかりと専門用語で載っています。ただその専門用語を理解させるような解説はホームページ上で一切されておらず、IT初心者にとってはその専門用語は煙に巻かれたように感じるでしょう。

どういうことか、ちょっとホームページを見てみましょうか。

J:COMのホームページにアクセスすると、インターネット接続サービス(J:COM NET)についてはこんな紹介文が掲載されています。

J:COM NETサービス説明

J:COM NETは、安定した幹線部に光ファイバーを使用し、お客様宅の近くから同軸ケーブルを使用するFTTN※1(ファイバー・トゥ・ザ・ノード)方式を採用。データを安定したハイスピードで配信可能です。

※1 HFCとも呼ばれています。光ハイブリッド (HFC) とは、ケーブルテレビ局から光ファイバーで配線し、途中から同軸ケーブルで各家庭まで線を引き込む方式をいいます。

J:COM NET(インターネットプロバイダ) | ケーブルテレビ(CATV)のJ:COM

字面上は一見なんだか凄そうなサービスにみえますが、この「FTTN」という接続方式がクセモノなのです。

フレッツ光はFTTH方式、対するJ:COMはFTTN方式。この違いを理解しよう。

フレッツ光は、「FTTH」という方式を採用していますこれはFiber To The Homeの略語で、その名の通り光ファイバー(Fiber)の線を個人宅(Home)まで引き込んだ回線のことを指します。

ONUと呼ばれる光回線の終端装置を自宅に設置し、個人宅のパソコンのギリッギリ近くまでこの光ファイバーを引き込むことにより、通信の高速化を図っているのがFTTH、つまりフレッツ光です。

光ファイバーが何かわからない人のために一応解説すると、理科の授業で習ったような光の全反射を利用している比較的新しい通信技術を用いた伝送路だ。光ファイバーは従来の銅線などと比較して非常に高速な通信が可能かつノイズに強いという特徴を持っている

対するJ:COMは、「FTTN」という方式を採用しています。これはFiber To The Nodeの略語で、複数の分割エリアごとに設置した分配器(ノード)までは光ファイバーを敷設し、そこから先は低速な銅線等を数百世帯で共用した回線のことを指します。

このFTTHとFTTNの違いについて非常に分かりやすく示している図がWikipediaにあったので、引用する

FTTHとFTTNの違い

FTTx - Wikipedia

△接続方式としては図の下に行くほど高速になります。

紫の範囲が光ファイバー(高速)を示していて、黄色の範囲が銅線等(低速)を示しています。

この伝送路の高速・低速についてを簡単にイメージしやすくするために、それぞれのケーブル種別を「目的地までの交通手段」として例えてみると、紫の範囲の光ファイバーは新幹線による移動で、黄色の範囲の銅線等は乗用車による移動と例えることが出来ます。

新幹線の場合、利用者が増えたとしても道中において基本的に渋滞はありませんし、目的地まで遅延することはありませんよね。一方乗用車の場合、利用者が増えると交通量が増えて渋滞が発生し、1車両1車両の流れるスピードはどんどん遅くなりますよね。この交通量のことをネットワークの世界ではまさに「トラフィック」と呼び、発生してしまった渋滞のことは「輻輳(ふくそう)」と呼んだりします

FTTHは家の玄関ギリギリまで新幹線がきているため、基本的に利用者増による渋滞(輻輳)とは無縁※になります。一方、FTTNは車両が数台程度であれば快速に走らせることが出来ますが、車両が増えすぎてしまうと新幹線(光ファイバー)への乗り継ぎ場所である駅(分配器:ノード)に辿り着く前に、渋滞に捕まってしまいます。

※FTTHが輻輳と全く無縁かといえば必ずしもそうではないですし回線帯域や網終端装置の共用世帯数にはもっと複雑な事情がありますが、ここでは回線種別の特性をより簡易にイメージしてもらうためあえてこのような説明をします。もっと適切な例があればコメントに頂けると幸いです。

 

J:COMの通信速度を上げる方法はないのか?

上記までの説明を理解していただければ答えはすぐ出てくると思いますが、J:COMが遅いのは設備(ファシリティ)上の特性によるものですので、基本的にJ:COMの回線速度を上げる方法ありません。しいて言えば周囲世帯のJ:COM加入者数を減らせば、相対的にある程度の改善は見られると思います(そんなことを自分で出来るかはさておき…)

ちなみに、J:COMが教える以下の方法について。

インターネットの速度が遅い場合の改善方法にはどのようなものがありますか?

→LANアダプターのDuplex(全二重/半二重)

→InternetExplorer(IE)の設定をリセット

インターネットの速度が遅い場合の改善方法にはどのようなものがありますか? | JCOMサポート

これ、やるだけ無駄だと思います。焼け石に水です。

これもまた移動手段にあえて例えて言えば、せいぜい玄関の靴をランニングシューズに履き替えるぐらいの効果しか得られません。パソコン側の送受信処理性能に微々たる影響があるだけで、回線の伝送速度には何ら良い影響を与えることはありません

というよりJ:COMが遅くてストレスとなっている場合はJ:COMをどうこうするよりフレッツ光などの「○○光」系のサービスへ素直に切り替えた方が圧倒的に快適なインターネットライフを送れると思います。

ITエンジニアの僕が選ぶJ:COM NETからのおすすめの乗り換え先

NURO光(一番おすすめ)

J:COM NETから乗り換えるべき「○○光」系のサービスは多種多様にある

しかしTエンジニアの僕が技術的な観点からおすすめしたい光回線はSo-net(ソニーモバイルコミュニケーションズ)が提供するNURO光だ。

僕の実家でもNURO光を使っているが、遅さに悩まされたことは一度もないほどだ

NURO 光 今なら30000円キャッシュバック!

日本国内においてはかなり先進的な"G-PON"という通信技術を唯一採用している事業者なので、僕はもちろんネットワークの有識者ならみんな太鼓判を押すであろう通信サービスといえる。データパケットやフレームを通過させるための技術がとにかく優れています

難点としてNURO光は対応する市区町村エリアや導入可能な建物が限られており、まだまだ加入可能な人が少ないのが現状です。以下のエリア検索で現在のお住いが対応エリアとなっていない場合は導入が不可なので諦めるしかありません

NURO 光の対応エリアの検索・申込み

auひかり

もしお住いのエリアがNURO光の導入に対応していなければ、次点でauひかりをおすすめします

auひかりはNURO光のG-PON技術を採用していないものの、NTT系のフレッツ光回線とは異なる光回線の設備系統(かつてのTEPCOひかり回線)を使用していることが特徴です

auひかりの最大の強みは既設のNTT電話線(モジュラーケーブル)を使った半端な通信速度の"VDSL配線方式"から逃れやすいということです

ただauひかりもNURO光ほどではないものの、首都圏エリア限定のサービスで加入可能な世帯が限られています。対応エリアに在住の方は以下のリンクから申込みが可能です

au ひかりの対応エリアの検索・申込み

ドコモ光(要v6プラス適用)

NURO光、auひかりのいずれも対応していないエリアにお住まいの方は、フレッツ光やドコモ光がおすすめです(おすすめというより、残念ながらコレしか選択肢がない)

特にGMOのドコモ光は高速なv6プラス接続方式に対応しており通信のパフォーマンスがかなり高めの回線となっていて専用のルーターも無償貸与されるため中でもおすすめ

v6プラスの接続方式の解説については以下のページにまとめました。

ちなみに「ドコモ光」とフレッツ光は似たようなサービスですが、それぞれの違いの解説は以下のエントリーにまとめていますので興味がある方はどうぞ。これもやさしく書きました。

フレッツ 光・ドコモ光の対応エリアの検索・申込み

最終手段:どうしてもJ:COMで通信速度を速くしたい場合(戸建て限定)

実はJ:COMは2016年から、通信速度が遅くなる原因であったFTTN方式ではなくFTTH方式を採用したインターネット接続サービスを手がけていたようです。その名も「J:COM NET光 1Gコース on auひかり」。ただし戸建て限定、月額6,500円(税抜)から(高い!)。

光回線のファシリティ(設備)なんてJ:COMはもっていないはずなのに、一体どうやってFTTHを提供しているのか・・・?と私も一瞬疑いましたが、上でおすすめしているauひかり回線の一部帯域をKDDI社から借り受けることにより、FTTHの提供を行っているようです。つまり実態は完全にauひかり

f:id:mr-akogare:20170322084635j:plain

上記理由のため回線の品質はauひかりのそれと全く同等です。月額料金はかなり高めですが、J:COMの契約を維持したいという戸建て住まいのに方は検討の余地があります。

まとめ

今回の記事では、遅いと評判のJ:COMがなぜ遅くなりうるのかについて解説してみました。フレッツ光などのFTTHとJ:COMのFTTNとでは備えているインフラ自体が違うためにどうしても遅くなってしまう、ということがご理解いただければ幸いです。

きっとJ:COMの営業マンは、「フレッツ光と同様に光ケーブルを使っています!だから速いですよ!」と言葉巧みに誘導して来ると思います。「へーそうなんだ速いのか」って真に受けてしまう方が減ればいいなと思っています。

なお、J:COMが敬遠される理由のもうひとつはこうした営業マンの不誠実さ(営業マンみんながそうとは思いませんが...)。こちらは元従業員のワロリンスさん(id:warorince)が書いた以下の記事が内部事情を赤裸々に語っていて面白いので、是非こちらもお読み下さいませ。

△「うんこ」でGoogle検索すると1番上にくるおもらしおもしろブロガー。

冒頭で記載したとおり、J:COMの本業であるケーブルテレビのサービスの方は結構いいと個人的には思うんですけどね。テレビ好き、映画好きにはJ:COMはやっぱりたまらん、おすすめです。

【J:COMの評判】ユーザーから日々寄せられる「遅い」という怨嗟の声

J:COMユーザーのコメントを集めてみました。あくまで"テレビ屋さんの設備を使った回線"と割り切って使わないと、ストレスが貯まると思います。

遅すぎるJ-COMの回線速度 その①|~Taro's Diary~

誰も160Mだから160Mの速度が出ているとは思ってもいません。

少なくとも半分程度は出ているかな・・・程度に考えています。

しかし実際はその10分の1程度。

J:COMのネットが遅いので。あまりにもひどいので…クレームを入れました。 - Binoculars's diary

5~6千円/月の利用料金を払っていて、1Mbpsを下回る速度しか出ない。なにをやってもイライラする。

騙された!? 遅すぎるJcomの回線速度。。。:tetsuのブログ2:So-netブログ

本来ならお試しで使用できれば良かったのだが…全く問題ないとの営業の話と金額が多少でも安くなるならと変更してみると…

実際は、感覚的にも結構遅いです。クリックしてワンクッションしてから画面が切り替わる感じ。。。正直、パソコンの調子が悪くなったのかと錯覚するくらい。。。

 

節約・おトク系のおすすめ記事

陸マイラー」という言葉を聞いたことがあるだろうか?自分は飛行機にほとんど乗らずに年間数十万マイルを貯めている。節約やおトクが好きな人は参考にしてほしい。

関連エントリー 

以下のインターネット接続関連の記事も書いている。これもよかったら参考にしてみてほしい。

*1:誤解のないようにJ:COMのフォローをちゃんと入れておきますが、J:COMはCATVの最大手企業だけあってテレビサービスはかなり魅力的です。ただ、それに付随する「インターネット用回線」はかなりイマイチなのです。